三谷幸喜、夏目漱石、和田誠

 三谷幸喜さんの「ありふれた生活」シリーズをここ数日で5冊一気に読破。自分の舞台やドラマに関するありとあらゆる評判を気にし、雑誌から新聞、そしてネットの情報まで検索して、さらには落ち込むという三谷さんにほんのちょっとだけ共感してしまいました。その中で一番「おお!」と思ったのは5冊目「有頂天時代」にあったあるエピソード。

 夏目漱石芥川龍之介宛に書いた手紙の一説で、三谷さんが励まされたという話。その言葉とは「群集は眼中に置かない方が身体の薬です」というもの。たしかに評判を気にしない方が精神衛生上は絶対にいいに決まってるけれど、でもでも気になるのは当たり前。反応を気にしてナンボです。肝っ玉が小さいといわれようとなんだろうと気になるものは気になるのが物書きのサガ。みんな一緒なんだと安心してしまいました。

 この文章の中で三谷さんは「自分が漱石と同じ土俵とはおこがましいけれど、身近になった」と書いているんですが、同じように私も三谷さん、そして漱石と同じ土俵はすさまじくおこがましいと思いながら、おふたりが身近になったのでした。

 それはそうと先日スクエニさんに行ってキングダムハーツシリーズのアンケートハガキを読ませていただく機会がありました。温かい励ましのお言葉から辛辣なご意見まで、落ち込んだりうれしくなったりしながらすべてのハガキに目を通しました。枚数にしてどれくらいでしょう? とにかくたくさんのハガキでした。本当にありがたいです。読んでくださっている方が感じることには、インターネット以外でなかなか触れる機会がないので、勉強になります。なんかちょっと矛盾してますが、これまた身体の薬です。

 ところで、アンケートハガキの「好きなイラストレーター」の欄に「和田誠」と書いていた彼がものすごーく気になりました。私も大好きですけれど、キングダムハーツと和田さんが結びつかないよ! そういや「ありふれた生活」の和田誠さんのイラストもすごく素敵です。いつか似顔絵を描いてもらいたいなー。(きれいにまとめたつもり)